【多読ジム×太田出版】第一弾は『それチン』! 出版コラボ企画「”版元コラボ”エディストチャレンジ」

2022/03/05(土)10:00
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多読ジムが出版社とコラボする!? 2022年4月11日開講の「多読ジムSeason10・春」では、出版社とコラボする新企画「”版元コラボ”エディストチャレンジ」がスタートします! 企画第一弾のコラボ出版社は太田出版に決定! 三冊の本をつないでエッセイを書く「三冊筋プレス」の”オプションお題”という位置づけで出題され、多読ジム受講者なら誰でも参加することができます。

 

 

「エディストチャレンジ」は、三冊筋プレスのシーズンテーマに合わせて出版社が選本した”トレーニングブック”をもとに、三冊筋のエッセイを書くお題です。さらに、佳作として選ばれた作品はイシス編集学校のウェブメディア「遊刊エディスト」に掲載されるとともに、出版社のSNS等でも取り上げられるというプチアワードがついています。

そのエディストチャレンジ第一弾でコラボする出版社が、「根源的、挑発的」をモットーとし、サブカルチャーやマンガでおなじみの太田出版に決まりました。では、「Season10・春」のテーマ「男と女の三冊」のトレーニングブックは?

 

 

『それはただの先輩のチンコ』(阿部洋一)、通称『それチン』!

タイトルのダイレクトな表現に驚いてしまった方も多いと思いますが、『それチン』は”「男らしさ」の呪い”にまつわる切実なオムニバス漫画。朝日新聞デジタルに著者の阿部洋一さんのインタビュー(男性器を集めて愛でる世界 漫画家は「男らしさ」の呪いを降りたい)が掲載されているので、興味をもたれた方はぜひ読んでみてください(有料会員記事)。「Ohta Web Comic」でマンガを試し読みすることもできます。

 

 

阿部さんは文化庁メディア芸術祭マンガ部門に選出された経験もある実力派で、『このマンガがすごい!』と双璧をなす『このマンガを読め! 2019』(フリースタイル)では、山田参助『あれよ星屑』(KADOKAWA)、西村ツチカ『北極百貨店のコンシェルジュさん』(小学館)と並んで、『それチン』は第4位に輝いています。

 

左が『このマンガを読め! 2019』(フリースタイル)

 

エディスト読者に向けて、『それチン』の担当編集者さんから推薦コメントも届いています。

今は「男と女」という括り自体がゼロから再定義されつつある時代ですが、この難しい問題に、漫画ならではの寓話的アプローチで阿部洋一先生が迫ったのが本作です。担当編集的には、たとえば本棚で村田沙耶香さんの小説の隣に並べてもらえるといいなと思いながら作っていました。

 

今回のエディストチャレンジはお題本が「マンガ」なので、「DONDEN読み」で仕上げるというルールも付加されています。「DONDEN読み」は、マンガと新書と文庫を三冊セット読む読書法です。2017年に近畿大学に新設された、マンガと新書と文庫だけで構成された図書空間「DONDEN」を松岡正剛校長が企画した際に考案されました。

 

「遊刊エディスト」の人気連載「マンガのスコア」(ホリエ)でも取り上げられている漫画家・山本直樹さんのDONDEN読み。山本さんは太田出版のウェブコミック「Ohta Web Comic」で「練習」を絶賛連載中!

 

求ム、『それチン』挑戦者!

 

Info


◉多読ジム season10・春 三冊筋プレス

   「”版元コラボ”エディストチャレンジ」

 

∈出版社

 太田出版

 

∈トレーニングブック

 阿部洋一『それはただの先輩のチンコ』(太田出版)

 

∈DONDEN読みの三冊
 マンガ:『それチン』

 新書: ?

 文庫: ?

 

 

∈DESIGN the eye-catching image
 穂積晴明

 

 

 

  • 金 宗 代 QUIM JONG DAE

    編集的先達:宮崎滔天
    最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
    photo: yukari goto

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。