この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーひとりひとりが厳選した、見逃せない ”今月の推しキジ” を発表です!
みなさんにとってのイチオシ1本はどの記事でしたか?
では、遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」、お楽しみください。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代
ついに林朝恵が動き出しました。この2年ほど松岡正剛を追いかけて、撮りためていた記録映像を編集し、蔵出ししていくという。遊刊エディストでは視聴しやすいショートクリップになっています。林さんは新春放談でも抱負を語ってくださいました。2022年は《たくさんの校長》を届けてくれることを期待しています。── 後藤 由加里
マツコ’s Plus Five!
これまでだって映像表現はトライしてきているのだぞ
”林朝恵’ 映像Work 5選”
●松岡正剛が明かす「千夜千冊の秘密」丸善創業150周年記念講演 Movie
●松岡正剛が語る花伝所という方法、入伝式前夜 Movie
●松岡正剛が迫る鈴木康代の編集、45[守]伝習座 Movie
●松岡正剛が願うモンスターの出現、44[破]伝習座 Movie
2 マエストロ上杉’s 推しキジ!
─ 応援ファンファーレでPick!
林愛さんによる、多読ジムSPコース「大澤真幸を読む」の冊匠賞受賞作。
大澤さんの著作『〈世界史〉の哲学 近代篇2 資本主義の父殺し』をきっかけに、「父・母」にはじまる二項対立への根源的な問い直しや、林さんが10代の頃に「残酷な神」だと感じていた「親」に自らなるという葛藤に、これまでかというほど対峙しつづけた、読む側にも相応の覚悟が求められる渾身の作品です。完成までには、洋の東西を超え、近代に向き合うために古代まで立ち返った林さんの並々ならぬ編集プロセスがあったものと想像しています。
林さんといえば、エディストの最初期から主にみちのく周辺のニュースを丁寧な取材で記事に仕上げてきたライターであり、最近では多読ジム「三冊筋プレス」の執筆もはじめた「継続の達人」。エディスト編集部でも、知のアウトプットを積み重ねてこられた林さんの受賞に大いに湧き立ちました! ますますご活躍していただきたいお一人です^^ ※林さんの記事はこちらからご覧いただけます。 ──上杉 公志
⦿ついに公開!セイゴオ本が動画になる「册影帖」制作裏舞台 10shot
松岡正剛の本一冊につき、一本の映像を作るという、前代未聞のとんでもなく贅沢なプロモーション・プロジェクトでかつ、めちゃくちゃ凝っている。舞台裏を知らせてくれる10shotと同時視読で埋蔵感倍増。『フラジャイル』に続き、第二弾の制作も進行中!──金 宗代
48[守]は白川、若林の新番匠二人を加え、久々の番匠三人体制を敷いている。番匠陣の扇の要でもあり、九州支所「九天玄氣組」組長の右腕でもあるのが石井梨香番匠だ。その目配り、気配り、心配りの編集職人ぶりは、すでにベテランの域に入っている石井ではあるが、ますます記事執筆のフットワークは軽く、編集知、世界知の研鑽にもさらなる貪欲さを見せている。汁講をレポートした2記事は、さらに磨ける余地はあるが、今年の石井の飛躍の予感とともに推したい。── 吉村 堅樹
マツコ’s Plus One?!
石井梨香番匠といえば、マツコ的にはこれを見逃せません!
「リカちゃん・クッキングぅ~」 一覧はこちらから
⦿イドバタイムズ issue.1「育ちの場がイシス式になる日」を推します。
子ども向けの編集遊び空間として立ち上がった「子どもフィールド」のすがたを紹介する記事なのですが、まだ足りてないところを包み隠さず伝える内容になっています。プロモーション的な意味合いを持っているはずの記事で、こういうスタイルはかなり珍しい。関わるみなさんの真摯さだけでなく、ごく小さい子どもに編集に触れさせる意義や課題を本質的に感じさせるものになっています。お話の内容も抽象と具体を大きく往還しており、「子どもフィールド」の今後が大いに期待できますね。 ── 川野 貴志
マツコ’s Plus One?!
さいごに。
マツコが選んだ年末の見逃せない編集部Presents記事!
いまさら聞けない?! 2021年イシス編集学校クロニクルぅ~。後藤さん、すごい。yeah!
Back Number エディスト・クロニクル
エディスト・クロニクル2020 #03 ハイパー・メディエーションに向かって
エディスト・クロニクル2020 #02 オンラインに感じるトポス
エディスト・クロニクル 2019 Movie #03 離ユニオンと出世魚
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2021年12月の記事から、エディスト編集部の”推しキジ” を厳選してお届けしました。
2022年もどうぞよろしくお願いいたします。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。