ミラン・クンデラ追悼記念【オツ千SP.2】八田英子の「キッチュはダメにしてー♪」

2023/07/14(金)13:11 img img
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 クンデラが亡くなった。94歳だったという。2年前の12月に公開されたオツ千スペシャルであるが、ミラン・クンデラへの哀悼と共に、エディストで再アップをする。この回のオツ千スペシャルは聞いていないという方は、偲びつつ聞いていただければと思う。また、未読の方にとっては、あらためてクンデラの小説に触れるきっかけになれば幸いである。

 

 「おっかけ!千夜千冊ファンクラブ」。ちぢめて「オツ千」スペシャルバージョン第二弾。スペシャルバージョンではゲストをお招きし、ゲストには千夜千冊から一夜を選んでいただき、その夜について語り合おうというもの。

 千夜坊主の林頭・吉村と千冊小僧・デザイナーの穂積が第二弾のゲストに選んだのは、イシスのアイドルこと律師の八田英子さん。八田英子さんと言えば、イシス編集学校のあらゆる講座をくまなく受け止め、不敵な笑顔と歯に衣着せぬ物言いで束ねる存在。お眼鏡にかなったのは、ジュリー、エレカシ、いとうせいこう、松岡正剛と、人の評価眼にも定評ありです。

 そんな八田英子さんがオツ千スペシャルで選んだ一夜は360夜 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』。オツ千初の文学作品です。

 

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 今回の「オツ千SP」では、プラハの春の時代背景から始まり、クンデラの『存在の耐えられない軽さ』はもちろん、『不滅』『笑いと忘却の書』にも触れながら、クンデラの乾いた性描写やキッチュとは何かに迫ります。

 

 

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 「お気に入りの千夜」を一夜も大募集! 投稿いただいた方からゲストでオツ千にご招待も。お待ちしていますー!

 

 

 

▶︎当該千夜千冊 (0360夜 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』)

 

 

 

▼過去のエピソードはこちら▼

  • 吉村堅樹

    僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。