プラン4:空から大人を見てみれば【46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix】

2021/08/24(火)23:28
img JUSTedit

46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix、『遊刊エディスト』誌上で予選を開催中。第77回感門之盟での本選出場をかけて、各教室から短期決戦の応援合戦だ。さあ、あなたも心惹かれるプランに投票を!

 


プラン4:望眺世界塔教室/空から大人を見てみれば

大人を縛る「常識」を沢山蒐めて、望眺して、編み直してみよう!


 

■ジョーシキを疑え?

 

 常識とはジョーシキであり、情/色だ。社会的な感情の色味であって、空(くう)じられるべき色(しき)の筆頭だ。

 

 「常識を疑え!」という訴えにさえ《常識的な臭い》をかぎ取ってしまう気ムズカシイあなたにこそ来館してもらいたいのがここ、“空見て”こと「空から大人を見てみれば」である。今日はジョーシキを即是空したいあなたに、館内の一部をご案内する。


■何の因果でインカの筆談?

 

 すでに「映画断食」などは紹介したが、イチオシは“イン筆”こと「何の因果でインカの筆談」だ。

 

 イン筆とは、南米・アンデスの森林を模した場で、古代人気分に遊べるコーナー。ただしコミュニケーションの際に使えるのはインカ文字だけ、しかも文字についての説明は一切なされない。そもそもインカ文字は「未解読言語」なため解説しようがない。あなたは突如、インカの海に投げ出される。文字の形や並びのうちに独自のルールを見出し、筆談と身振りのみでやり取りを成立させねばならない。


■「インカのつもり」に遊び、「コトバのほんと」に迫る

 

 イン筆は荒唐無稽か?いやいや、そんなことはない。

 

 何のルールも知らされぬまま言葉の海に投げ出され、口真似をしてどうにかこうにか、ゲーム主体となってゆく――ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」論を可視化したのが、この空間なのだ。


■「ちぐはぐ」こそが生の本来

 

 イン筆初め、“空見て”には非常識的体験のシキ織り織りが満載。「眼耳鼻舌身」の五識も、折々賦活されること間違いなし。

 

 ここを出る頃にはあなたもきっと、「ちぐはぐ」こそが生の本来だと悟るだろう。

 

プラン発案者:織田茂
執筆者名:師範・新井陽大
画像作成者:師範代・高橋陽一

 


▼投票はこちら
読者投票あり!!46[破]「DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix」プランニング編集術アワード予選を開催
投票締め切り:2021年8月25日(水)24時

 

→プラン4:望眺世界塔教室/空から大人を見てみれば


  • バニー蔵之助

    編集的先達:橋本治。通称エディットバニー.ウサギ科.体長180cm程度. 大学生時に入門後、師範代を経てキュートな編集ウサギに成長。少し首を曲げる仕草に人気がある。その後、高校教員をする傍ら、[破]に携わりバニー師範と呼ばれる。いま現在はイシスの川向う「シン・お笑い大惨寺」と、講座連携/師範交流ラウンジ「ISIScore」を行き来する日々。

  • モノに見立てて肖って●54[破]評匠 セイゴオ知文術レクチャー

       本を読んで、文を書く。そのとき人は、いったい何について書いているのだろうか。そこでは何が出入りしているだろうか。  日々の暮らしの中で何気なくおこなうこともできてしまう読書行為というものをひとつの巨大な“ […]

  • 目指すは師範代輩出!――野望の萌す伝習座

       [破]は、松岡正剛の仕事術を“お題”として取り出したとっておきの講座である。だから回答と指南の応酬も一筋縄にはいかない。しかしそのぶん、[破]の師範代を経験すれば、どんなことにも編集的に立ち向かえるように […]

  • 【多読ジム】たわしフクザワ たまたまゲーテ?

    ●スタジオネーム「たわし」    読書の秘訣は着替えにあり。    多読ジムでは、季ごとに自分好みの“スタジオネーム(ニックネーム)”に着替えてトレーニングをする人が多い。だれがどんな名前で稽古をする […]

  • 読書の再有事化へ!【多読ジムseason13冬・開講】

       今年も多読の季節が始まった。    3か月周期でまわる多読ジムの冬シーズンは、ちょうど新年の始まりと重なる。開講日、各スタジオで点呼に次々と即応する読衆の声も、他シーズン以上に快活だ。ある読衆は […]

  • プラン3:ニッポン夢幻露店【46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix】

    46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix、『遊刊エディスト』誌上で予選を開催中。第77回感門之盟での本選出場をかけて、各教室から短期決戦の応援合戦だ。さあ、あなたも心惹かれるプランに投票を! &n […]

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。