この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix、『遊刊エディスト』誌上で予選を開催中。第77回感門之盟での本選出場をかけて、各教室から短期決戦の応援合戦だ。
さあ、あなたも心惹かれるプランに投票を!
──プラン9:ゆかりカウンター教室──
言葉で遊ぶ・文字と遊ぶ・SUGI∞《スギナミ》に遊ぶ
■この未曾有の時代を
どうすれば生き抜くことができるのか?
多発する災害、感染症。「緊急事態」が日常化するなか、日本にいる外国人に、行政の発信情報は、どれだけ伝わっているでしょう。日常会話以上の文化や価値観をめぐる対話は? そもそも、日本人自身は日本をわかっているのか? 異なる世代間の相互理解はできているのか?
「伝わらなさ」「わかりあえなさ」のなんと根深いことでしょう。
国家や世代の「間」にあるコミュニケーションのひずみを、どうすれば? 「感覚の壁」を壊した先にあるものに、解決の糸口があるのでは? これまで教育改革に力を注いできた杉並区だからこそできるチャレンジがあるはずだ。
──そんな思いから「SUGI∞《スギナミ》」ミュージアム構想は始まりました。
「SUGI∞《スギナミ》」は、交流と学びを基盤にしたミュージアムです。
メンター制による日本人とのマッチング。ホストファミリーのサポートや街の企業。商店街の協力による生活での文化交流。他にも、互いの文字と言葉で読み聞かせをしたり、手紙などを綴り合うといったプログラムを、杉並区内の図書館や児童館を中心に展開します。
公用語という一つの言葉でなく、さまざまな言語が自由に語られながら、通じ合い、交じり合う、いわば「交用語」の世界。感覚的な部分まで、遊び感覚で理解し学びあえるミュージアムなのです。
「SUGI∞」が実現したい未来は、「まなび」のモデルが無限大(∞)に広がる未来です。言葉と文字、感覚までもつなげる、リテラシーソサエティの構築を目指します。
企画案:46[破]ゆかりカウンター教室学衆 玉村和子
記事執筆・画像作成:同 師範代 後藤陽子
編集:同 師範 福田容子
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読者投票あり!!46[破]「DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix」プランニング編集術アワード予選を開催
投票締め切り:2021年8月25日(水)24時
→ プラン9:ゆかりカウンター教室/言葉で遊ぶ・文字と遊ぶ・SUGI∞《スギナミ》に遊ぶ
福田容子
編集的先達:森村泰昌。速度、質、量の三拍子が揃うのみならず、コンテンツへの方法的評価、厄介ごと引き受ける器量、お題をつくり場を動かす相互編集力をあわせもつ。編集学校に現れたラディカルなISIS的才能。松岡校長は「あと7人の福田容子が欲しい」と語る。
書籍『インタースコア』の入稿間際、松岡校長は巻頭書き下ろしの冒頭二段落を書き足した。ほぼ最終稿だった。そろそろ校了か、と思ってファイルを開いて目を疑った。読み始めて、文字通り震えた。このタイミングで、ここにこれを足すのか […]
▼辰年と聞くと義兄の顔が浮かぶ。辰すなわち龍は十二支唯一の空想動物なわけだが、これがウズベキスタンでは鯨になるのだと、そのウズベク人の義兄から聞いて驚いたことがあるためだ。前の辰年より少し前のことだったと思う。なぜそんな […]
京都は神社が少なく教会が多い?◢◤[遊姿綴箋] リレーコラム:福田容子
▼京都はぞんがい教会が多い。人口10万人あたりの教会数は、全国47都道府県中じつに5位。寺院が意外にも13位どまり、神社に至ってはまさかの32位(つまり下から16位)だから、相対的に見て全国平均より神社が少なく、教会は多 […]
48[破]が始まった。 2022年4月2日(土)第一回伝習座。今期[破]で新たに師範として登板する戸田由香が、48[破]師範代陣に向けて、文体編集術の骨法をレクチャーした。 戸田といえば、エディストの […]
律師、八田英子の不意打ちには要注意だ。 半年ぶりにISISロールに復帰し、48[破]で初番匠に挑もうという2022年春。水ぬるむ3月にそのメッセージはやってきた。 「ふくよさん、お帰りなさーい」 八田 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。