この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

開講3週目を迎えた47[守]。18の教室に「得番録」が届いた。
師範代の手による稽古の進捗記録簿であるが、教室のみんなで共読したい回答や発見が添えられている。一週間の稽古を讃えあう表彰状でもあり、師範代が学衆に贈る手づくり弁当でもあるのだ。稽古の真っただ中では先へ進むエネルギーとなり、卒門した後には熱い稽古に立ち返るよすがとなる。
47守定常コース得番録 師範代が教室愛をまぶしたタイトルにご注目!
◎オブザぶとん教室 稲垣景子師範代 【相点 of ZABUTON】(しょうてん)
◎縞々BPT教室 田中香師範代 【畝畝 Score】
◎グッチ金輪際教室 関口泰由師範代 【金のサークル日記】
◎極性アンバンドル教室 桑田惇平師範代【極性譜・律動スペクトル】
◎アイドル・ママ教室 新井和奈師範代 【愛度瑠・Note】
◎近々ワンダー教室 赤木美子師範代 【ドラマティック・ソサエティ―】
◎カンブリア一群教室 竹川智子師範代 【カンブリア紀・進化録】
◎本達ビードロ教室 下田富美子師範代 【やわらかいビードロ】
◎セッケン時空屋教室 堀田幸義師範代 【刻々時跡紀】
◎ジャイキリ魔球教室 柳瀬浩之師範代 【週刊ジャイキリ】
◎カンテ・ホンド教室 西宮牧人師範代 【フィン・デ・フェスタ騒動記】
◎「象」徴ドミトリー教室 佐藤健太郎師範代【「象」歩一里塚(ぞうぶいちりづか)】
◎ピアソラよろしく教室 北條玲子師範代【ピアソラキーノート】
◎どんでんコマンド教室 中村慧太師範代【DONDEN PLAY LOG】
◎柄々八犬伝教室 長島順子師範代 【ハッケン新報】
◎妖精アスリート教室 圓尾友理師範代 【編集ログブック 海中冒険記】
◎谷中エッチング教室 皆川滋師範代 【才のゆらぎ模様】
◎一客一亭教室 清水幸江師範代 【かさねのいろめ】
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
イシス編集学校九州支所「九天玄氣組」は今年20周年。発足会を行った9月の彼岸をめざし、周年事業を進めている。軸となるのは「九州の千夜千冊」を冠した雑誌の発行だ。松岡正剛の千夜千冊から選んだキーブック1冊ごとに33冊のグル […]
8年近く続いた黒潮大蛇行終息の兆しが報じられる中、イシス界隈に、これまでにない潮流がおこっている。 松岡正剛の「千夜千冊」をキーブックとし、「九州の千夜千冊」を冠した雑誌づくりが動き出したのだ。 イシス編集学校の九州支所 […]
本から覗く多読ジム——『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』【ニッチも冊師も☆石井梨香】
少し前に話題になった韓国の小説、ファン・ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(集英社)を読んでみました。目標を持つこと、目指す道を踏み外さないこと、成功することや人に迷惑をかけないことに追い立てられている人々が、書店と […]
[守]講座の終わりが近づくと、決まって届く質問がある。「教室での発言はいつまで見られるのですか?」 インターネット上の教室でのやりとりがかけがえのないものだということの表れだ。見返すと、あの時のワクワクやドキドキが蘇る。 […]
「編集しようぜ SAY!GO!」師範代は叫んだ【81感門・50守】
インターネット上の稽古場に50[守]学衆の声が届かなくなって10日が過ぎた。次期に受け渡すものを交し合っていた師範のラウンジももうすぐ幕を下ろす。卒門式の師範代メッセージには、メモリアルな期を走り切った充実がみなぎって […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。