ISIS 20周年師範代リレー[第17期古田茂 編集第一線で変革期を支える]

2021/05/05(水)10:05
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2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、6月に20周年を迎えた。第45期の師範代までを、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。

◇◇◇

 

食品偽装に年金記録漏れ問題に日本が揺れる中、ISIS編集学校の事務局は「学林局」へと変身を遂げる。学林局長には佐々木千佳、花伝所所長には田中晶子が立ち、[守][破]には番匠ロールが誕生した。第17期[守]は急遽1ヶ月遅れで4月に開講。ここから社会と呼吸を合わせるように4月、10月開講が定番となる。編集学校変革の第一弾でもあった。

 

変革期を支えたのは、化学系メーカーで営業第一線を駆け抜ける古田茂師範代。控えめながらも愚直にロールに徹し続け、[守][花伝]師範も歴任。現在、遊刊エディスト編集長でもある林頭 吉村堅樹が[守]師範代時代のチーム師範でもあった。2012年に開講する「丸の内朝大学」の師範代、「帝京大学読書術コース」の共読ナビゲーターとしても登板し、編集学校の第一線も牽引していった。素顔を覗けば呉服屋のご子息であり、和装が似合う大人の着物男子でもある。

 

◎師範代メッセージ◎


 

>あのときメッセージ>

不二家、赤福等の偽装問題が発覚。食を始め品質管理への信頼が揺らぎ始めた2007年。

16期に1ケ月遅れて開講し、追走・追想しながら走り抜けた17期。2期の重奏でこその相互編集による交感と信頼の拡がりが立ち上がっていました。厚い場と期節でした。

 

>これからメッセージ>

情報の関係、方法、言葉を学ぶ編集学校の大切さをより実感しています。更なる充溢を。

 

挑心りんりん教室 古田茂

 


 

●あの日!あの時!千夜千冊!●

〇思い切った仮設のためのアブダクション

1182夜:チャールズ・パース『パース著作集』

…2007年05月01日

◎[破]物語編集術にも仕込まれているレミニッセンス

1189夜:ジョヴァンニ・ボッカチオ『デカメロン』

…2007年06月23日

⦿”もはや実と虚を二元的に分類することはできない”

1197夜:田中未知『寺山修司と生きて』

…2007年08月10日

Designed by 穂積晴明

 

 

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。