この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

第75回感門之盟「Inform 共読区」2日目は、45[破]突破式からはじまった。原田淳子[破]学匠が、今期の編集稽古を振り返りながら、お祝いのメッセージを贈った。
45[破]では、10名の師範代たちが、連日連夜、学衆たちをサポートしつづけてきた。師範から感門表が渡され、続いて、「先達文庫」の授与が行われた。破の師範代には、松岡正剛校長が一人ひとりのために自ら厳選した2冊の先達文庫が贈られる。
◆天野陽子師範代 (分針タンブール教室)
『アイヌの物語世界』(中川 裕/平凡社ライブラリー)
『カムイ・ユーカラ』(山本 多助/平凡社ライブラリー)
◆岡本尚師範代 (播州ざこば教室)
『岡本太郎の眼』 (岡本 太郎/角川文庫)
『岡本太郎の見た日本』 (赤坂 憲雄/岩波現代文庫)
◆下平真史師範代 (神島鳴神教室)
『逆まわりの世界〔改訳版〕』 (フィリップ・K・ディック/ハヤカワ文庫SF)
『人間以前』 (フィリップ・K・ディック/ディック短篇傑作選)
◆西由江師範代 (東方パエーリャ教室)
『子どもの本を読む 〈子どもとファンタジー〉コレクション 1)』 (河合 隼雄 (著), 河合 俊雄 (編集)/岩波現代文庫)
『ファンタジーを読む〈子どもとファンタジー〉コレクション 2) 』(河合 隼雄:著 河合 俊雄:編/岩波現代文庫)
◆梅澤光由師範代 (語りなザナドゥ教室)
『ゴシック文学入門』 (東 雅夫:編/ちくま文庫)
『ゴシック文学神髄』 (東 雅夫:編/ちくま文庫)
◆牛山惠子師範代 (雑品屋クロス教室)
『新装版 夜中の薔薇』 (向田 邦子/講談社文庫)
『新装版 眠る盃』 (向田 邦子/講談社文庫)
◆齋藤幸三師範代 (ガンダム蓮結教室)
『読書と人生』 (寺田 寅彦/角川ソフィア文庫)
『科学と文学』 (寺田 寅彦/角川ソフィア文庫)
◆宮原由紀師範代 (柔走柔断教室)
『新版 自然界における左と右 上・下』 (マーティン・ガードナー/ちくま学芸文庫)
◆三國紹恵師範代 (つぐつぐアーク教室)
『タイタンの妖女』 (カート・ヴォネガット・ジュニア/ハヤカワ文庫SF)
『スローターハウス5』 (カート・ヴォネガット・ジュニア/ハヤカワ文庫SF)
◆古野伸治師範代 (おまたせ・おまかせ教室)
『危機と人類 上・下』 (ジャレド・ダイヤモンド/日経ビジネス人文庫)
突破された皆様、おめでとうございました。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。