この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「いいかい、これは歴史と地理の辞典だよ」。宮澤賢治『銀河鉄道の夜』の一節だ。
未知奥連の弦主・森由佳がイシス編集学校に入門したきっかけは『情報の歴史』(松岡正剛、編集工学研究所、NTT出版)だった。ふっと谺(こだま)する「あのやさしいセロのような声」に慄いた。
エディットツアーに乗り込んだ12名の参加者は、仙台のイメージをマネージしていく稽古に挑んだ。伊達な都会の風景は星の数ほどある。みたての座、じとずの座、夏の編集大三角形、次々と生まれるイシス流星群。
新たな星座の生誕に場が湧き立つ。星影に映したのは、誇らしい広瀬川と、懐かしい路面電車と、要らない原発だった。
『銀河鉄道の夜』は「ほんとうのさいわい」を探し求める物語である。やにわに参加者一堂にとっての「やさしいセロのような声」が響く。
エピローグは森弦主の一声がやんわりと場内を包みこんだ。心に稽古の充実、口にまめいちの「言玉」、そして片手に44[守]の割引優待券を握りしめて、ジョバンニとカンパネルラのように、ゆくゆくエディット・オデッセイへ。
齋藤シゲノリ
編集的先達:梶原一騎。編工研バイトがきっかけでイシスに出会う。レスリングマニアで、編集学校イベントでは必ずプロレスTシャツで登場。学衆が師範代を娶る逆イシス婚を寝技で決めた。妻は納富師範代。
1mm粒のリミックスがP1を制す。第3回P1グランプリ【78感門】
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。