42[破] 先達文庫 第70回感門之盟

2019/09/24(火)23:01
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 破は二階、守は一階。これは感門之盟会場の階数。

 破は二冊、守は一冊。こちらは先達文庫の冊数だ。

 

 第70回感門之盟の42[破]突破式では、原田淳子学匠が松岡校長から託された先達文庫を紹介。各師範代に手渡された。例えば、上原師範代には「芥川と寺山から寸鉄を磨いていってください」。梅澤師範代には「冒険とユーモアの同居を学んでください」。校長と学匠からのメッセージが込められた先達文庫二冊組のラインナップは以下の通り。

 

◆上原悦子 師範代  よりみちパンセ教室

 『侏儒の言葉』芥川龍之介/文春文庫

 『ポケットに名言を』寺山修司/角川文庫

 

◆大場健太郎 師範代 クラフト・クエリ教室

 『スロー・ラーナー』トマス・ピンチョン/ちくま文庫

 『競売ナンバー49の叫び』トマス・ピンチョン/ちくま文庫

 

◆梅澤奈央 師範代  はじかみレモン教室 

 『ファンタジーと言葉』アーシュラ・K.ル=グウィン/岩波現代文庫

 『所有せざる人々』アーシュラ・K.ル=グウィン/ハヤカワ文庫

 

◆重廣竜之 師範代  破顔四笑教室

 『二つの母国に生きて』ドナルド・キーン/朝日文庫 

 『日本人の質問』ドナルド・キーン/朝日文庫

 

◆後藤由加里 師範代 MMプリテンダー教室

 『夢の遠近法』山尾悠子/ちくま文庫

 『歪み真珠』山尾悠子/ちくま文庫

 

◆猿子修司 師範代  パラレル墨守教室

 『人称代名詞』野坂昭如/文春文庫

 『戦争童話集』野坂昭如/中公文庫

 

◆清水優年 師範代  脳交ハニカム教室 

 『文明崩壊』上・下 ジャレド・ダイアモンド/草思社文庫

 

◆平野しのぶ 師範代 発酵エピクロス教室

 『緑の家』上・下 バルガス=リョサ/岩波文庫

 

◆稲田早苗 師範代  空色オイコス教室 

 『田辺聖子の古典まんだら』上・下 田辺聖子/新潮文庫

 

 

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。