【感門DUST】「背広にアフロ」の黒幕は? 45[守]近大卒門式実況

2020/10/09(金)10:12
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9月20日、45[守]のトップホースが集う第74回感門記念セイゴオカップ(近大、出場4名=G1)が行われた。新型コロナウイルスの影響により無観客開催となったが、馬券の売上は絶好調。全国160名の卒門者がライブビューイングで見守った。

 

45[守]近大特別は、「Edit Japan 2020」の冠にふさわしく3頭が地名由来の名を背負う。
ザコバタロー(学衆10=大阪下町、速修)、スミレハナサク(学衆10=兵庫宝塚)、ミエコカタガミ(学衆10=三重県)だ。

 

V有力候補は2頭。ベテラン騎手岡本尚が手綱を取るザコバタローが、圧倒的経験と地の利で圧勝か。はたまた大舞台に強い野住智恵子騎乗のスミレハナサクが華麗に舞うのか。下馬評は割れていた。

 

青空にEdit Japanの白い旗がたなびく。鳴り響くファンファーレ。卒門式のゲートが開いた。
我先に飛び出したのは、ミエコカタガミだった。
「大阪は近畿です。三重県は近畿です。なので、ここは三重県です」
ジョッキー佐藤玲子は三段編法も高らかに宣言。

唯一現地入りした担当調教師山根尚子からは、出走前に「お前ら全員三重県な!」といななくミエコの様子が公開された。ミエコの大逃げで勝利は決まったかと思われた。

 

しかし、第4コーナーで事件は起きた。大外枠から、黄緑色の馬毛を揺らして1頭が駆け上がる。
テクノアフロル(学衆10=アフロ)だ。騎手西村慧が、知人のおしゃれアフロ作家に注文したという特製アフロの登場に、ゴール前は大混戦。

花が咲き、鳥が歌うアフロをまえに、ザコバタロー、スミレハナサク、ミエコカタガミもかわるがわるアフロに鞍替え。近大会場のウイニングランは、総アフロの喝采で幕を閉じた。

 

 

 

競馬監修・寸評:景山和浩

撮影・馬柱制作:木藤良沢

編集協力:福田容子

アフロ提供:西村慧 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。