この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「みっちゃん、どうしたの~」
2020年1月生まれの女児を育てる浦澤が、日中発する言葉の約8割がこれである。
コロナの影響で買い物も子育て支援センターも行きにくい、遠出なんてもっての他。日中話しかける相手は子どもかスマートスピーカーのみ。子どもにかける言葉もどんどん凝り固まってくる気がした頃、イシスフェスタの季節がやってきた。
家から出られない、人と話せていない今、遠くの人と交わす事ができるオンラインエディットツアーはやりたい。しかし開催意向を尋ねるメッセージに返信しようと左手でスマホを操作している間も、右手に抱えた娘は広島の隠れた名物小イワシのようにジタバタしている。この状況で当日のナビゲートができるであろうか。
そこで浦澤は考えた。「ママズクラブシアターがあるなら、ママズエディットツアーもあって良いのではないだろうか」多少子どもがグズっても気にしない、がコンセプトのオンラインのエディットツアーがあれば、小さな子を託す先がないとうさん・かあさんも気軽にアクセスできる。浦澤自身も我が子を小脇に参加できる。
「今の自分が参加したいエディットツアー」の計画を佐々木千佳局長に伝えたところ、奈良在住の「編集かあさん」こと松井路代ナビゲーターに繋がった。こうして編集かあさん×編集かあさんになりたい新米かあさんによる初の「子連れ歓迎オンライン・ツアー」が動き出したのである。
【EX広島&奈良】「おやこ五感ワーク」は、おうちで楽しめるワーク他、子どもとの過ごし方を編集的に語る大人向けトークタイムもあります。お出かけも控え気味の今だからこそ効く「編集かあさん」の方法を手にしてみませんか?
お子さんと一緒の参加はもちろん、大人のみの参加も歓迎です。生後7ヶ月の女の子と共にお待ちしております。
【イシス祭@親子向け】おやこ五感ワーク
ナビ:浦澤美穂、松井路代
9月3日(木)10:30-11:30(開場10:20)
浦澤美穂
編集的先達:増田こうすけ。メガネの奥の美少女。イシスの萌えっ娘ミポリン。マンガ、IT、マラソンが趣味。イシス婚で嫁いだ広島で、目下中国地方イシスネットワークをぷるるん計画中。
8月某日、浦澤美穂は悩んでいた。 イシス子どもフィールド発行のZINE「あそぼん」に寄せる原稿のテーマを過去に作ろうとして頓挫したカードゲーム「お料理ポーカー」に決めたものの、どう展開して、オチをつけるか決 […]
多読ジム出版社コラボ企画第二弾は工作舎! お題本はメーテルリンク『ガラス蜘蛛』、福井栄一『蟲虫双紙』、桃山鈴子『わたしはイモムシ』。佐藤裕子、高宮光江、中原洋子、畑本浩伸、佐藤健太郎、浦澤美穂、大沼友紀、小路千広、松井路 […]
海辺の町の編集かあさん vol. 4 2歳のディープラーニング
「子どもにこそ編集を!」 イシス編集学校の宿願をともにする編集かあさん(たまにとうさん)たちが、 「編集×子ども」「編集×子育て」を我が子を間近にした視点から語る。 子ども編集ワークの蔵出しから、子育てお悩みQ&Aま […]
海辺の町の編集かあさん vol. 3 Namae wo Oshieru
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「話せるようになる前」に萌芽する編集 ことば未満ラボ【子どもフィールド】
言葉が話せるようになれば、意思表示が出来ればラクになるはず。 「みっちゃん、どうしたの~」と繰り返していた頃は、そう思っていた。 でも娘がほんの少し話せるようになった今、「みっちゃんどうして!?」と日々発し […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。