この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「千夜千冊の秘密」と題して松岡正剛の3時間ソロトークが8月28日(金)に行われる。丸善創業150周年記念連続講演会の最終回としてである。「肺癌後、これだけのことをやるのは久しぶりだ」と松岡本人も気合が入る。
2000年2月23日に第一夜『雪』を投じて以来、20年間倦まず弛まず一夜一夜重ねて続けてきた千夜千冊は、1749夜にまで至り、ウェブから『松岡正剛 千夜千冊』(求龍堂)、そして千夜千冊エディションシリーズ(角川ソフィア文庫)として更新しながら変容し続けている。20年に渡る方法の秘密をポケットに忍ばせて、夏の終わりの夜にみなさんにお届けする。
当日は都内某所の会場から、特別なしつらいの中でオンライン配信となる。オンラインなので残席は無制限。詳細・申込はこちらから。
◇◇◇
千夜千冊の赤入れは最低5回。語りの推敲はリハーサルとして入念に行う。先日本楼で行ったリハ1回目の様子を10shotでチラ見せします。
藤本晴美さんの面影
仕立ては「連塾」でもタッグを組んだポマト・プロとMGS照明設計事務所と組み立てる。照明デザイナー 藤本晴美さんのミームを継承しているスタッフとともにイメージをカタチにしていく。
本と付き合うための儀式
それを「股裂」と呼ぶ。ふと手にした『明智光秀』(井尻千男・海竜社)を180度に開き、儀式を施す。
発動装置は煙草とペン
リハをしながら次第に書き込み。紫煙を吸い込むように流れをカラダに入れていく。
赤と黒は勝負色
8月25日発売、千夜千冊エディション最新刊『物語の函』。赤と黒の配色が本楼に映える。
容赦なきフィードバック
松岡の動きをカメラがぴったりと追いかける(上)。
一通りリハを終えるとカメラチェック。スタッフも容赦なくフィードバックをかける(下)。
エディション×エディションの妙
一冊のエディションは大体30夜で構成。二冊を合わせて多重多層に千夜を重ねる。本番はどの組み合わせで見せるのか。
手も口ほどにモノをいう
ハンドマイクにすべきか、ピンマイクにすべきか。手の可動性でパフォーマンスも変わっていく。
只今、デザイン編集中
「やっぱり色を反転させよう」会場の色合いを想像しながら投影するデザインのチェック。本日のリハはここまで!
8月28日本番に照準をあわせて、あと数回のリハや仕込みを丹念に行う。どうぞ貴方もとっておきの好きな場所で”秘密”の目撃者となってください。
千夜千冊の秘密
~丸善創業150周年記念連続講演会 第11回
2020年8月28日(金) 18:00~21:00
配信開始:17:45
参加費:一般 3,000円(事前申込)
詳細・申込はこちらから。
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。